右京区にお住まいのA様より、雨漏り修繕のご依頼をいただきました。
平屋建ての寄棟造りで、「雨漏りがするので見て欲しい」とのお問い合わせをいただき、屋根に上がらせてもらい調査を致しました。
寄棟なので、屋根は四面で構成されております。
そのうち北面一面のみが瓦のズレがひどく、また軒先が折れ曲がり垂れ下がっていました。
あとの三面はほとんどズレも無く、修理の必要がありません。
何故この一面のみが、ここまで激しく傷んでしまったのか?
原因は一見上解りませんでしたが、いずれにせよ屋根を解体して、折れ曲がった軒先を真っ直ぐに直す必要があるため、北面一面のみの屋根葺き替え工事をご提案させていただきました。
また棟は残りの面に関しましても、傷みはひどく、いずれ雨漏りの原因となりうるため、取替え工事をお薦め致しました。
瓦の撤去にかかります。
土の上に乗せてあるだけなので、瓦ズレは生じ易いです。
瓦を降ろし、既存野地板を全て撤去しました。
やはり軒先の垂木が曲がって垂れ下がっていました。数ヶ所節のところで折れていました。
原因はやはり軒先に瓦と葺き土の荷重がかかり、垂木がそれに耐えられなくなったためと考えられます。
北面のみが、軒先の形状が凹状のため、起こったと思われます。
屋根面を全て真っ直ぐに直しましたら、12mm構造用合板を隙間無く張り詰めます。
防水シートを敷きます。
この面は、瓦桟を打ち付けてそこに瓦を引っ掛けて釘で留め付ける工法で瓦を葺きます。
現在の建築基準法の瓦施工ガイドラインに沿った工法です。
瓦葺きの様子です。
この工法は土を使いませんので、その分軽量化が図れます。
特に軒先部におきましては、以前の様な垂れ下がりを未然に防ぎます。
瓦を葺き上げ、棟施工も終えました。
棟施工も現在のガイドラインに沿って芯材を入れ、ビス留めにて固定します。
棟の仕様も変えました。熨斗瓦を積んで丸棟を載せると、材料費・手間賃が多くかかるため、三角冠仕様にしました。リーズナブルで工期も短縮出来て、美観を損なうこともありません。
完成しました。
棟を三角冠仕様にした事で、シンプルでスッキリとしたラインが生まれました。
また棟を取り替える事で雨漏りを未然に防ぐメンテナンスも出来ました。
葺き替えた一面は防災瓦を使用しました。釘留めとかみ合わせで、地震・台風に強い瓦です。
A様 この度は、工事をご依頼をいただき誠にありがとうございました。