東山区にお住まいのS様より、屋根耐震工事を伴う外装改修工事をご依頼いただきました。
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屋根葺替え工事を耐震改修工事として京都市の助成金制度を利用して工事をさせていただきました。
この制度は毎年京都市が年度事業として行う住宅の様々な助成金制度の一つで、昭和56年以前に建てられた住宅の耐震化を進めるもので、屋根の軽量化や屋根構面の強化をはかることにより助成金を支給するといった制度です。
土葺き瓦から他の軽い屋根材に葺替えをしたり、屋根野地に構造用合板を張り事により最大30万円の助成を受ける事が出来ます。(簡易耐震改修工事として申請の場合)
近年では京都市民の皆様に制度の周知が進み、積極的に利用される方が増えてきております。
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この助成金制度は基本的には申請者により手続きを行っていただくものですが、何種類にも及ぶ申請書類の作成や図面作成・写真の添付など煩雑な作業が多く、ほとんどの方は工事を請け負う業者に委託します。
とりわけ施工写真はもっとも重要で、全ての工事の過程を写真により精査されますので撮り忘れなどは許されません。
以下のような工程を写真に撮っていきます。
瓦撤去前 葺き土
下葺き① 下葺き②
補強桟打ち 構造用合板張り
ゴムアスルーフィング張り ルーガ雅葺き
屋根は殆どが複数面で構成されていますが、上の写真のように一面ずつ一定の場所・角度から工程順に撮影していきます。
例えばこういう部分も
瓦撤去前 葺き土
下葺き 補強桟
構造用合板張り ゴムアスルーフィング張り
ルーガ雅葺き
更に下屋根においても
瓦撤去前 葺き土
下葺き 補強桟
構造用合板張り ゴムアスルーフィング張り
ルーガ雅葺き
葺き替えする全ての屋根面を工程順に写真に収めます。
それにより屋根面の全てが軽量化及び構面強化がなされたと写真により判断されます。
助成金受給の絶対条件です。
ここまでが助成金受給対象工事のご案内となります。
本工事におきまして、対象とならない外壁板張や塗装工事もご依頼いただきました。
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外壁板張工事です。
土壁漆喰仕上げの外壁は風雨に晒されて傷みがひどく、また美観を損ねてるため杉焼板を張る事としました。
杉は表面を焼く事により耐水性・耐腐食性を高めて外装材として壁の仕上げに使用出来ます。
焼板で覆われた外観は古民家や京町家を彷彿させて、落ち着いた佇まいとなります。
今回使用した屋根材ルーガ雅との相性も抜群です。
下地 仕上げ
下地 仕上げ
下地 仕上げ
焼板を張るためには下地が必要です。
壁の不陸を直し、壁が平らになるよう調整してから焼板を張っていきます。
壁以外にも建物はいろいろな木材で構築されています。
屋根を支える垂木や破風、軒天、木製窓枠や雨戸、戸袋に手摺など外部に露出しているところは木部塗装としてキシラデコール塗装を施しました。
このキシラデコールは防腐防虫の効果が優れており、また塗装後の木肌、木目が綺麗に出るため当社ではよく使っております。
正面玄関側は一部モルタル外壁のため、水性シリコン系塗料で仕上げました。
大屋根はこのように生まれ変わりました。
屋根 壁と2ヶ月に及ぶ外装改修工事となりました。
S様には長期に渡る工事で大変なご不便をお掛けしましたが仕上がりにはご満足いただけました。
この度は大切なお家の工事をお任せいただきまして誠にありがとうございました。