山科区N様より葺き替え工事のご依頼をいただきました。
以前、天窓付近より雨漏りし、他業者に修理を依頼されましたが止まらず、弊社にお問合せ下さいました。
現場調査をしましたところ、随所にシーリングが施されてましたが適切な処置とは言えず、また施工不良と思われる点も多く見受けられましたので、屋根材の撤去と金属瓦への葺き替え、そして天窓の取り替え工事をさせていただく事になりました。
天窓廻りの瓦が至る所割れており、そこにシーリングしてありましたが、これらの割れ等は新築施工当時に発生したものも多くあると思います。この屋根材はカラーベストと呼ばれる無石綿スレート瓦で厚さ6mm程度と薄く、屋根面の不陸や重なり部の釘の浮き、板金役物との隙間の浮きなど施工時の踏み割れ等を起こしやすく、また経年劣化で更に深刻化します。それに由来する瓦の抜け落ちも多くみられます。天窓廻りはもっとも雨漏りしやすく、施工時に的確な防水処置を施さなければ雨漏りしてしまいます。
外部から一見しましても疑わしき点があったため、屋根材を撤去し合板を重ね貼りして金属瓦へと葺き替えさせていただきました。
屋根材 下葺きルーフィングを撤去したところ、やはり施工不良でした。
防水テープは貼り付けてありましたがテープの隙間より浸水しておりました。木枠の角が黒く変色しています。
下葺き材が茶色に変色しているところは雨水が入った跡です。
下葺き材を撤去し、天窓も外しました。
12mm構造用合板を上から重ね貼りしました。
後で新しい天窓の開口を開けます。
天窓を新設します。サイズダウンしたものを取り付けました。
金属瓦を葺きます。IG工業のガルテクトと言う屋根材です。
断熱材が裏貼りしてあるため、断熱効果は抜群です。
雨漏りしていたのは大屋根の一部でしたが、メンテナンスとして他の面も同じ金属瓦で葺き替え工事をさせていただきました。
こちらは既存の屋根材を撤去せず、上から重ねて屋根を葺くカバー工法にて施工しました。
今、カラーベスト屋根の葺き替え工事として重ね葺きカバー工法は改修工事として主流となっております。野地板に傷みがなく、ビスの保持力に問題がなければ重ね葺きにはメリットがあります。
まず、既存屋根材を撤去しないので廃材処分費が大幅に軽減されます。特に築15年以上のカラーベスト材にはアスベストが含有されているため、現行法律上、処分に多額の費用が掛かります。
次に工期の短縮です。撤去する手間が省けるからです。
屋根の上に屋根を乗せて大丈夫?とご質問される事もよくありますが、カラーベストと金属瓦を合わせましても陶器瓦の重量に満たないのでご心配には及びません。
また、現場調査にお伺いした時に、建築時の図面や確認申請書類等からの判断などをさせていただく事もありますので、ご安心してお問合せください。
既存屋根の上に下葺材としてゴムアスファルトルーフィングを敷き込みます。
金属瓦の役物を取り付けます。
瓦本体を葺きます。
屋根の完成です。
この金属瓦は瓦の裏にポリイソシアヌレートフォームと言う断熱材を貼り付けているため、非常に高い断熱効果を発揮します。
またこの断熱材が金属瓦のデメリットである雨音も吸収してくれます、
施工後、お施主様にお話しをお伺いしたところ、断熱効果を実感されたとお話し下さいました。
天窓を取り替えましたので、大工工事と内装工事も行います。
新しい天窓のサイズに合わせて木枠を造り、天井一面のクロスを一度剥がして貼り直しします。出来るだけ既存壁のクロスに近い色、柄を選んで施工いたしました。
これで全て完成です。
天窓は以前ついていたものよりも少し小さめのものを取り付けさせてもらいましたが、採光量がちょうどいい感じになったと喜んでいただきました。
N様、この度はご依頼いただき誠に有難うございました。