五月というのに連日の30℃超えの真夏日が続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この先夏に向かいまして、屋根での作業は過酷さを増していきますが、梅雨を迎える前に伏見区M様より耐震改修助成金制度を利用した屋根葺き替え工事をご依頼いただきました。
M様邸は大屋根の北面は日本瓦、南面は瓦棒屋根(金属屋根)となっておりました。
今回の工事におきまして、耐震改修の観点から北面の瓦撤去による屋根の軽量化はもちろんのこと、南面も12mm構造用合板を張り詰める屋根構面の強化で申請を行えるので、いずれの面も助成金の対象となり、補助が受けれます。また南面の屋根より、室内に雨漏りをしていましたので、雨漏り修繕と耐震化工事を一度に行える事が出来、葺き替え費用のご負担も軽減する事が出来ました。
まずは施工前、施工後の写真をご覧ください。
before after
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続きまして、施工の手順をご覧下さい。
瓦の撤去作業中です。
瓦と土を綺麗に取り除きますと、下葺きの防水シートが現れました。
よく見ていただくと、シートの継ぎ目が離れて下の板が見えています。
これは経年劣化によるシートの縮み現象で、当時はビニール系の防水シートだったため施工時は重ねてあったものが離れてしまっているのです。
瓦の割れもズレも無いのに雨漏りするケースがありますが、この現象による事も多々あります。
日本瓦自体は丈夫で長持ちする屋根材ですが、葺き土や防水シートがそれについていけてないといったところです。
既存の野地の状態です。
バラ板を打ち付けてありますが、隙間が多く、耐震性は乏しいと言えるでしょう。
下葺材が劣化で脆く、野地も隙間だらけなので、どうしても撤去中の土が天井裏に落ちてしまいます。
そのため野地を一部を切り取り、天井裏に降りていき落ちた土を綺麗に取り除きます。
既存の垂木の上に、もう一本補強垂木を打ち付けます。
その上に12mm構造用合板を張り詰めます。
12mm構造用合板を貼り終えました。
各工程において、施工写真は助成金を申請するにあたり必須となりますので、上の写真の様にボードを用いて写真を撮っていきます。
防水シートを敷いていきます。今は防水シートも多種多様な素材のものがあります。
当社の屋根工事で最も使用しておりますゴムアルファストルーフィングを下葺きしました。
いよいよ金属瓦の施工に取り掛かります。
IG工業スーパーガルテクトを葺かせていただきました。
北面のみの施工です 本来なら南面も同じ材料で施工出来れば良いのですが、南面は屋根勾配が緩く、メーカーの施工可能勾配を下回っていますので、嵌合式縦ハゼ葺きを採用しました。
スーパーガルテクト施工途中です。
葺き上がりました。このスーパーガルテクトは金属横葺き瓦では当社一番のお薦め屋根材です。
南面の瓦棒屋根の解体に取り掛かります。
雨漏りの原因となっていた軒先部は、野地板 一部垂木まで腐朽しています。
屋根材の錆による穴開きに由来するものでした。当時の鋼板は現在程の性能、耐久性がありません。
特に錆には弱く、こういったケースの雨漏りが非常に多く見受けられます。
屋根といった部位の特性上、見にくかったり 点検がしづらかったりと発見が遅れる事が多い様に思えます。
腐朽した木片を取り除きます。傷みの激しい垂木には、添え垂木を取付け、高さを合わせるため下地桟を打ち付けます。
12mm構造用合板を上から増貼りします。
軒先唐草(水切り)を取付けます。
南面と同じようにゴムアスファルトルーフィングを下葺きします。
気になる雨音を大幅に軽減! 吸音制振テープを裏貼りしました!
嵌合式縦ハゼ屋根材を葺いていきます。この屋根材は施工性 コストパフォーマンスに優れ、新築・リフォームを問わずよく使用されており、当社の屋根工事におきましても使用頻度の高い屋根材です。
ただデメリットもありまして、その内の一つに降雨時の音鳴りの問題があります。
気にされる方 されない方 人それぞれではありますが、軽減する方法をご提案させてもらったところ採用させていただきました。
ゼトロNVテープはアルミ拘束層にブチルゴム層を付着させたもので、このゴム層が振動を吸収し雨音を軽減させるのであります。施工完了直後にタイミング良く強めの雨が降り、 M様には早速その効果を実感していただきました。
工事完了致しました。M様邸におきましては、耐震改修助成金で葺き替え費用を軽減する事が出来、また雨漏りと気になる雨音を解消する事も出来ました。
お客様が喜んで下さる事がまた私共の喜びでもあります。
M様 この度は、誠にありがとうございました。