兵庫県A市 S様で、屋根のメンテナンスとして、既存カラーベスト重ね葺きカバー工法での葺き替えを施工させていただきました。
屋根材は元請様・弊社ともにお薦めのIG工業スーパーガルテクト(フッ素)を使用致しました。
近年、カラーベスト屋根の改修工事の工法として、重ね葺きカバー工法が主流となりました。
スーパーガルテクトは、従来のガルテクトの基材となるガルバリウム鋼板を更に高耐久にした超高耐久ガルバリウム鋼板を採用して、スーパーガルテクトとして生まれ変わりました。
そして表面塗装に遮熱性フッ素樹脂塗料を施したスーパーガルテクトFは長期のメンテナンスフリーを実現した金属横葺き材です。
before after
before after
~ここから工事の工程です~
葺き替え工事前の写真です。
一度メンテナンス工事として塗装をされたそうです。
どの様な塗料を塗付されたかは分かりませんが、白く変色しております。
明らかに再メンテナンスが必要な状態です。
カラーベスト屋根の塗装は2回までと認識されており、3回目の塗装の効果は疑問視されております。このため今後のランニングコストと費用対効果の点から、金属瓦への葺き替えとなりました。
重ね葺きカバー工法は、既存の屋根(カラーベストやシングル屋根等)に直接新設屋根材をビスで留め付ける工法です。
そのため、万が一の新設屋根材からの雨水の侵入や、結露水が留め付けビス孔からの浸水を防ぐため(スーパーガルテクトは断熱材が裏貼りしてあるため結露はしません)二次防水としてルーフィングと言う防水シートを既存屋根の上に敷きます。
その上に新設屋根材を葺いていきます(表面の屋根材が一次防水、ルーフィングが二次防水となります)。
ルーフィングには色々な種類が有りますが、弊社では釘孔(もしくはビス孔)シール性の高いゴムアスファルトルーフィングを主に使用しております。
このゴムアスファルトルーフィングで屋根全体を覆っていきます。
いよいよ金属瓦の施工となります。
スーパーガルテクトはハゼ掛け工法を採用しております。
この工法は屋根材の上下部に曲げ返しが施してあり引っ掛かけて咬み合わせていきます。下の曲げ返しの所にビスや釘で留め付けるので、表に露出しないのです。
構造は簡単で、雨漏りさせない為の大昔からのメカニズムです。
素材や表面の塗装などは日進月歩しておりますが、この構造は昔から変わりません。
本当に先人たちの知恵には感服させられます。
屋根材はサイズが決まっており、横方向に継いでいきます。ジョイント部が生じます。
この辺りは各メーカー 色々と工夫を凝らしているところで、いずれもスピーディーに施工が出来、尚且つ如何にジョイント部からの雨水の侵入を止めるか といったところに心血を注いでいます。
S様邸の屋根の形状は寄棟と呼ばれる構面になっております。
基本的には、三角形が二面 台形が二面で構成されています。
二面で構成される切妻より、棟となる部分が増えます。
特に下り棟と呼ばれる斜め方向に下がる棟部は、屋根内部に雨水侵入のリスクが高まります。
しっかりとした止水処理をする必要があります。
寄棟には、切妻に無い様々なメリットがあり、また意匠的な面においても落ち着いた趣が感じられます。
大屋根の完成です。
美しく仕上がりました。
続いて下屋根の施工に取り掛かります。下屋根に天窓が設置されております。
天窓は雨漏りのリスクが高く、施工ミスや手抜き施工、または未熟者による施工で雨漏りが起こりやすい箇所です。
熟練者がきちんとした施工をすれば問題ありませんが、過去の戸建て建築ラッシュ時に施工された物件にはずさんな施工が多く、近年天窓に由来する雨漏りにより、修繕や葺き替えとなるケースが多いと思われます。
雨漏りの被害に遭われ必要無いと言う方や、過度の日照による室内温度の上昇により撤去して塞ぐケースも多くなっています。
但し立地条件等から、室内への採光不足になる物件や意匠を凝らすために採用する物件には天窓が欠かせないものとなる事がありますので、やはり施工者の技術力が問われると言えます。
従って弊社では、熟練した職人が細心の注意を払い施工にあたっております。
大屋根と同様、手順通り作業を進めて参ります。
下屋根も完成致しました。
仕上がりも雨仕舞いも、自信を持ってお施主様にお引渡しです。
葺き替え工事を弊社にお任せいただきまして、誠にありがとうございました。