京都市 F様邸の屋根工事をご依頼いただきました。
左の写真はアスファルトシングル材で葺かれた既存屋根です。
アスファルトシングル材とは、アスファルトを主な原料とし成形された薄く柔軟性に富んだ基材に微細に粉砕した天然石を表面に癒着させた屋根材です。
特徴として、柔らかく屋根構面の形状に馴染みやすいのでアール屋根(半円形)等の丸みを帯びた屋根形状などに適しています。
但し、全ての屋根材に長所・短所がある様に短所はこちらの材料は経年劣化により表面の石が剥離して雨風に流され落ちていきます。
そして屋根の基材となるアスファルト材も風化していきます。
before after
before after
before after
写真① 写真②
写真③ 写真④
写真①
工事着工前の写真です。この面が雨漏りしていました。
写真②
軒先の劣化が激しく、表面に土が堆積してコケ類が付着しておりました。
写真③
足で踏みつけている所は下の野地板まで水が廻り、ブカブカしておりました。
写真④
もはや既存の屋根材は原型をとどめておらず、留め付けの釘の頭や下葺き材が所々露出しております。
こちらは反対面の屋根の写真です。パラペットと言う形状になっています。
軒先が見えない様になっています。主に店舗などによく見られる形状です。
壁が真っ直ぐ立ち上がりますので、正面から見ますとスッキリとした印象を与えます。
また看板などを設置し易いのも特徴の一つです。
但し屋根の内側にも壁が出来るため板金で雨水を集めて外部に排出させる必要があります。
これが谷樋、もしくは箱樋と呼ばれます。
築年数から推測しますと、写真の谷樋はいわゆるブリキ板で作られています。
現在のガルバリウム鋼板はここまで錆びる事はありません。
表面の塗装が飛躍的に進歩しているからです。
錆が進行すればいつかは孔が開き、雨漏りが発生する訳です。
また雨風により流されたシングル材の石粒がここに堆積して更に水の流れを悪くします。
複雑に入り組んだ部位の収まりの写真です。
隣り合う屋根で流れ方向が異なる面がぶつかり合う(クロス状になる部位が発生する)ところが、最も雨漏りが起こりやすいところです。
両方から流れて来る雨水をいかに上手く逃がしてやるかがポイントとなります。
京都市内の住宅密集地ではこの様な収まりになるケースが多く、屋根工事店の技量が問われる所でもあります。
谷樋の落ち口周辺の写真です。
孔が開いているのが確認出来ます。
ここも最も傷みやすくまた雨漏りしやすい部位と言えます。
本工事では既存屋根材を撤去せずに上から12mm構造用合板を貼りました。
立地上撤去・搬出が難しい事と既存野地板の劣化が著しいため、新設屋根材のビス留め付けの野地板が必要となるためです。
幸い調査の上垂木は健全であったため、新設野地板はしっかり垂木に留め付ける事が出来ました。
二次防水となるゴムアスファルトルーフィングを下葺きします。
谷樋も撤去せずに上から新しい谷樋を被せます。
金属同士が重なると、隙間に結露が生じます。
防水透湿シートなどで絶縁する事により、結露を防ぎまた生じたとしても結露水は既存落ち口より外部に排出されます。
新しい谷樋を被せます。
今回の工事ではアイジー工業スーパーガルテクトCを採用しました。
軽量で断熱性に優れ、遮熱性樹脂塗装を施して長期メンテナンスフリーを可能とした屋根材です。
屋根材を施工していきます。
工事が完了しました。
弊社はこの軽量断熱金属瓦による施工を得意としております。
どの様な複雑な屋根形状でもまた複雑な収まりでも、ご安心してお任せください。
また京都市内特有の密集地での狭所工事なども得意としております。
そこが地元密着型施工工事会社の強みと自負しております。
屋根材も和・洋瓦から金属瓦までと幅広く施工致します。
最後にF様 工事をご依頼いただきまして誠にありがとうございました。