施工実績

K様邸 屋根葺き替え工事

雨漏りでお困りのK様よりご依頼を受け、屋根葺き替え工事をさせていただきました。

上の写真は左が施工前、右が施工後の写真です。

土葺き陶器瓦を撤去して断熱材付軽量金属横葺材を葺かせていただきました。

棟部には1.8mの換気棟を二箇所設置しました。

動力を使用しない自然換気システムですが、断熱材との効果も相まって

既に設置いただきましたお客様からは効果を実感できましたとのお喜びの声を

いただいております。

初めに雨漏りのご相談をお受けしました。

調査でお屋根に上がらせていただいたところ、一か所地瓦が大きくずれて浸水の可能性がある

部位があり、応急処置で瓦を突き上げ戻す作業をさせていただきました。

ただ、全体的に瓦の通り(並び)が縦横共に悪くなっており、複数箇所で雨漏りを起こしかねない所があったので、葺き替え工事をさせていただく事になりました。

 

瓦ズレの原因は葺き土の劣化によるものが多く、在来工法である瓦土葺きは軒先瓦や袖瓦など

銅線による結束を除いては、粘土による固定と嚙み合わせによる固定で成り立っております。

従いまして粘土の経年劣化による風化でズレが生じ、嚙み合わせも緩んでいきます。

この現象が屋根全体に起きますと部分的な修復は困難になり、葺き土の入れ替えによる葺き戻しか

他の屋根材での葺き替えをご検討いただく必要が生じてきます。

まずは棟瓦の解体から取り掛かりますが、ここにも大量の粘土が使用されており、熨斗瓦という

平たく細長い瓦を何重にも積み重ねて粘土で固定しています。

瓦の下には一枚づつ粘土が敷かれており、その総量は1㎡あたり50㎏以上(瓦も含め)となって

このことをお知りになられたお客様は皆様一様に驚かれます。

また近年よくTVニュースで台風襲来時、瓦が飛ばされて屋根が剝き出しになった映像を見かけますが、土葺き瓦屋根が多いと感じます。勿論、この工法にも利点は有りますが現在積極的に取り入れる工法ではないと思います。

 

 

 

土や瓦を撤去すると野地板が出現します。その上には防水紙が敷かれてあります。

基本的には瓦は重なり部の構造で雨水が屋根内に入りにくく設計されていますが、

大雨時や横降りの雨の場合、多少は浸水します。

その時に雨漏りを防ぐため野地板に防水紙(現在はルーフィング)を張ります。

ただこれにも寿命は有り、当時は塩化ビニール製が主流であったため劣化により

穴が開いたり、縮んで破れたり、また風化してボロボロになり、原形をとどめていないものもあります。K様邸の場合、比較的良好な状態でしたが雨漏りを発生した部分はやはり防水紙が破れておりました。雨漏りの原因でした。

 

次に野地板を新設する為に高さ調整と不陸調整のための桟木を垂木毎に打ち付けます。

桟木取付け後、12mm構造用合板をその上に張ります。

そして改質ゴムアスファルトルーフィングを張ります。

勿論塩化ビニール製とは比べ物にならない程、性能は高く耐候性に優れ、高寿命化しており

雨漏りを防ぐ大切な要素である釘穴シール性も高い製品となっております。

釘穴シール性とは、屋根材を釘やビス等で構造用合板に留め付ける際にルーフィングを貫通させるのですが、その時にルーフィングのゴム系成分が貫通物に癒着して浸水を防ぐ性能の事を言います

屋根材はアイジー工業スーパーガルテクトを採用しました。

断熱材付軽量金属横葺材は、各屋根材メーカーや建材メーカーからリリースされています。

弊社におきましてはこの断熱材付軽量金属横葺材が流通し始めた当初より、製品性能や

カバー工法にも適してると言った特徴にいち早く着眼して、積極的に導入を進めてきました。

その実績やお客様からのお声などの評価も高く、現在は弊社の主力商品となっております。

屋根材を軒先から棟に向けて、葺き進めていきます。

棟包み、換気棟の施工に取り掛かります。

あらかじめ棟芯に指定された寸法で開口を設けます。

ルーフィングを切り取り、開口部を露出させて木下地を取付け、更に防水シートを被せます。

また防水シートを切り取り、水切りを取り付けます。

このように何重にも漏水防止の処置を施し、最後に換気棟本体を被せます。

換気棟は屋根の頂上部に開口を設ける訳ですから、そこから雨漏りしたのであれば本末転倒といったことになります。

故に漏水防止処置の手順はとても重要で細心の注意を払う作業であります。

勿論、弊社におきましては換気棟の漏水事故は皆無です。

葺き替え工事が完了しました。

瓦葺きだった時の屋根構面のうねりや棟の蛇行は野地板新設時の不陸調整により解消されて

お屋根は美観を取り戻しました。

また換気棟の設置や断熱材により、今後K様にはその効果をご実感いただけると信じております。

最後にK様、この度は弊社に工事をお任せいただき、誠にありがとうございました。

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